私の愛用眼鏡 ”EFFECTOR”


「あれ私似合うじゃん」
父の外した眼鏡を着けてつい声に出してしまった。
中学三年生まで目が悪く度数の入った眼鏡をつけていた私は、中学卒業を機にコンタクトデビューし眼鏡も卒業。
眼鏡をつけているよりもコンタクトをつけている方がより自分を好きになれた。
時は過ぎ高校三年生の夏、家族とご飯を食べに行った時父のかけている眼鏡が目に入った。
その眼鏡は私が中学生の頃つけていた細く柔らかいブラウンデミカラーの親しみのある眼鏡ではなく、黒く重圧感のある黒縁眼鏡だった。
どうせ似合うわけないだろうと思いつつ、父の眼鏡をかけ鏡を見た。
「あれ私似合うじゃん」
と、思わず声が漏れた。
眼鏡を卒業し、もう気にすることも無いと思っていた私の心が久しぶりに動いた。
父からも「似合ってるじゃん」と言われた。すかさず私はどこの眼鏡なのかを聞いた。
「これは、EFFECTORのwhammyというモデルだよ」
私は”EFFECTOR”というメーカーが分からず家に帰り調べてみた。
(以下HP参照)
”EFFECTOR”とは2004年にOPTICAL TAILOR CRADLEのオリジナルブランドとして誕生したもので、ミュージックカルチャーが好きなCRADLEのスタッフ達のルーツからエフェクトペダルをブランド名に、モデル名も実在する機器や演奏技法の名前等がモチーフとなっている。かけた人の個性を増幅させたり、日本の眼鏡職人が一本一本ハンドメイドで仕上げていたりとこだわりのあるブランドだ。
ホームページにのっているfuzzをはじめ様々なモデルを見て、私は実際に店舗に行き実物が見たいと思った。
調べてみると東京の青山にある。早速、見に行きたかったので父を誘った。
外観はスピーカーやギターなど置いてあるお洒落な楽器屋で、眼鏡を売っているお店には見えなかった。
恐る恐る中に入ってみると、沢山の眼鏡が木製の棚に整列していた。
実物は画像で見ていたのとは何段階か違い男らしく骨太のフレームで、日本の眼鏡職人がハンドメイドで仕上げているからか、同じモデルでも一つ一つが個性を持って美しく輝いている宝石のようなものにみえた。
店員さんからの薦めで、女性に一番人気の”Harmonist”をかけてみた。このモデルは骨太い黒縁に女性らしい丸みのある優しいカーブのかかったフレームが特徴だ。実際にかけてみるとこのフレームのおかげで一気に顔の雰囲気がおっとりと可愛らしい女性に変わり、新しい私に出会えたみたいで嬉しくなった。
他のモデルも試したくなり色々なモデルをかけていると、ある眼鏡がビビッときた。
”UNISON”と書かれている。

このモデルは20周年記念モデルで、肉厚で大きめなフレームが特徴のインパクト大なモデルだ。丸みはあるが角は力強くタレ目な私の目と相性がバッチリだった。BKCLとCOの二色展開でBKCLははっきりと力強い存在感の印象を持たせてくれ、COは柔らかく穏やかだけれど強さがある印象を持たせてくれた。私にはCOがしっくりときた。
「10年後でも身につけていてお洒落であるものを買いなさい」と言っていた父も大賛成してくれたが、値段を見ると目が飛び出るほどだった。父から
「早めの高校卒業祝いな」と言ってもらい、私は人生初 EFFECTOR を手に入れた。
以来、私の最強ファッションアイテムとしてお出かけの時は欠かさず持ち運び、今ではかけていない日があるとお友達から「あれ今日かけていないの?」と言われるくらいの愛用品となった。
メーカーの歴史を知った事でより愛着が増した。
この先何十年身につけていてもお洒落な眼鏡
それが私の愛用眼鏡 ”EFFECTOR”